カテゴリ : 令和4年7月~12月
2022(令和4年)12月議会・一般質問
日時:12月12日(月)
一般質問 質問事項・要旨
はせ かずや(一括)
答弁を求める者:市長・部長
1、市民会館の今後について
(1)過去の改修等と市民からの要望について
(2)現在の市民会館の課題について
(3)今後の市民会館の長期的なあり方につい
て
(議長! 11番)
それでは、先に通告いたしました「市民会館
の今後について」順次質問させていただきます。
当市は2017年に「文化・スポーツ都市」を宣
言し、文化やスポーツの持つ力を改めて認識し
つつ、市民、企業等、市が一体となって明るく
心豊かで活力あるまちを目指すという決意を示
しました。
また2018年には、2027年度までの「第2次か
すがい市民文化振興プラン」を策定し、本年度
が中間年度にあたり、総合的な進捗状況の検証
を行い
見直しを行う年度と承知しております。
あらためて「第2次かすがい市民文化振興プラ
ン」をみると、基本目標である1.参加と体験に
よる文化が生まれる環境づくり、2.特徴ある
「春日井文化」の継承・創造、3.文化を通じた
連携のまちづくりに基づく施策、そして、具体
的な取組み内容の一部を抜粋しますと、高齢者
・障がい者等の鑑賞機会の充実、市民メセナ基
金の活用、文化設備の充実、市民の文化交流の
推進など総合的に「世代を超えて響き合う文化
創造のまち春日井」という理念を目指している
ものと私は承知しております。
また、同プラン改訂版中間案において、本市
の重要な文化芸術の拠点施設として位置付けら
れている市民会館は、春日井市ゆかりの音楽家
による演奏会や毎年恒例となっている松竹大歌
舞伎公演、のだめカンタービレの音楽会のほか、
春日井市民第九演奏会といった市民発表会など、
多くのイベントが開催されており、文化と触れ
合うことができる施設として市民に親しみのあ
る施設だと考えております。
そこで、市民会館の今後についてお尋ねいた
します。市民会館は、1966年に開業し、
築56年が経過しており、2018年度には音響や
舞台照明等の老朽化した設備の更新を実施した
ものと承知しております。
小項目(1)過去の改修等と市民からの要望につ
いてお尋ねします。直近の改修等については、
どのような部分をどのような必要から実施した
ものであるのか、またそれらの改修等は将来を
どう見通して実施したものであるのかについて
伺います。
次に、市民会館を県内他市の施設と比較する
上で一番の課題と思われるのが、客席数の規
模ではないかと思われます。
全国公立文化施設協会のデータを観ると、
名古屋市は別格として、当市の市民会館が
1022席に対し、豊田市が1,708席、アイプラ
ザ豊橋が1,469席、一宮市が1,588席、岡崎市
が1,100席であり、近隣市においては小牧市が
1,334席、犬山市1,230席、瀬戸市1,504席で
あります。
席数の確保は、芸術・芸能を展開する上で採算
の問題があり、著名なイベントを誘致する際の
大きな課題ではないでしょうか。また舞台の広
さやリハーサル室の有無、音響設備を持ち込む
際の間口の制限なども付随する大きな課題と思
われます。
そこで、小項目(2)現在の市民会館の課題、
現状に関して市はどのような見解をお持ちなの
かお伺いします。
市民会館については、今後移転や建て替えなど
を考慮していく必要があると思われます。
また、市も今までそのような必要を認識し水面
下で様々な議論・検討をされてこられたのでは
ないかと推察いたします。しかしながら、当時
の優先順位や財政上の理由から現在にいたって
いると思います。
そこで質問します。小項目(3)今後の市民会館
の長期的なあり方について市の見解をお伺いし
ます。
以上壇上からの質問とさせていただきます。
(市の回答)1-1
市民会館の直近の改修等につきましては、
建て 替えまでの時期を見据え、設備を
継続して安全 に運営できるよう設備の
老朽化対策、さらには質の高い舞台演出
の提供を目的に、舞台吊物の滑車の交換、
舞台音響や照明設備の更新のほか、
防災設備や空調設備の改修等、前回の更
新後長期間経過したことによる設備更新
などを行いました。
さらに舞台の音響や照明につきましては、
舞台演出の効果を最大限発揮できるよう
デジタル機器の導入によりエンターテイ
メント性の向上を図っております。
(市の回答)2-1
市民会館は、開設から56年が経過してお
り、 開館当時と比較して舞台等における
演出形態の多様化や高度化が進んでおりま
す。現在の舞台 演出の観点では、デジタ
ル機器を導入したことにより、音響面で
高い演出効果を発揮できるようになってい
ますが、演目によっては舞台の規模や電源
容量などが不足する場合があります。
また、集客力のあるコンサート等のイベン
トを誘致する際には、より客席数の多い会
場のニーズが高くなっていることは認識し
ております。
一方で市民会館は、著名な音楽家等による
イベントが開催できる施設であると同時に、
市民の皆様の文化活動が発表できる文化施
設であり、自主的な文化活動の発表の場と
して十分な規模であると考えております。
(市の回答)3-1
市民会館を含めた本市の公共施設に関する
大規模改修や建て替えにつきましては、
市公共施設マネジメント計画及び市公共施
設個別施設計画に基づいて進めております。
市民会館につきましても、建て替えとして
位置付けられていることから、現在のとこ
ろ同計画に基づき進めていくことを考えて
おります。
(議長! 11番)
それぞれお答えいただきました。
小項目(1)につきましては、主に直近の改修
に関してお答えいただきました。直近の改修
とは2018年度と承知していますが、舞台吊
り物の滑車交換や舞台音響のデジタル化対応、
防災・空調設備更新など必要最低限の改修工
事であったものと理解いたします。近い将来
の建て替え等を見据えても無駄な投資をさけ
たやむを得ない改修であったと思います。
文化活動に関心のある市民から話を聞くと、
当市には市民会館以外に200~300名収容の
多目的ホールがないため、現在の市民会館に
発表の希望が集中し、結果として市民による
文化活動に支障をきたしているというご意見
を伺います。
小項目(1)過去の改修等と市民からの要望
について2回目の質問として伺います。名古
屋市を含む人口30万人以上の都市をみると、
確かに大ホールと中小ホールはほとんど完備
されている現状であります。これらの市民か
らの要望が市の方に届いているのかについて
お伺いいたします。
小項目(2)現在の市民会館の課題に関しては、
少し私と認識の違いがあるため、意見ととも
に質問をさせていただきます。市民会館開館
当時と今を比較すると舞台演出形態の多様化
、高度化が進み、音響演出においてもデジタ
ル化が進み、音響装置を主催者側が持ち込み
により演出する場合も多いと聞いております。
そうなると、客席数の少なさ、舞台の広さ、
機材搬入口の狭さ、リハーサルスペースの
有無などの諸課題により、著名な音楽家、文
化芸術のパフォーマンスを表現しきれない
当市の市民会館は逆選別されているのではな
いかと危惧せざるを得ません。
さらに文化芸術に関心のある訪れた市民から
は、空調の課題、ロビーの狭さ、バリアフリー、
特に女性用トイレの少なさ等は、要望として
指摘されている課題であると認識しておりま
す。
そこで、小項目(2)現在の市民会館の課題に
関して2回目の質問をいたしますが、現状の
市民会館が抱える課題のために、質の高い時代
にマッチした音楽イベントや演劇・文化芸能イ
ベントを市民に提供する上で支障をきたしてい
るのではないかという認識を市が感じておられ
ないかという点に関してご所見をお伺いいたし
ます。
小項目(3)今後の市民会館の長期的なあり方に
ついてでは、市公共施設等マネジメント計画
及び市公共施設個別計画に基づくということ
ですが、そうすると移転先の検討や建築に要
する期間を考慮しますと15年先か20年先と
いう気の遠くなる見通しになります。
ある程度、実現性を持った方向性や前例にと
らわれないアイデアを募集し、検討を急ぐこ
とが必要であると考えます。例えばですが、
市民会館の現状の場所で、1~3階の市民会
館1,500席、4階に300席の多目的ホールを
建築するという高層建築構想などはどうなの
か。また建て替え地の選定案各種、奇抜です
がプラザ勝川の1フロアに多目的ホールを建築
するなどさまざまな検討が必要ではないでし
ょうか。
2回目の質問として、市民会館を15年・20年
現状のままにしておいていいとは思えません
が、いつごろまでに青写真を作り市民に公表
するとお考えなのかについてお伺いいたしま
す。
(市の回答)1-2
市民の要望に対する認識につきましては、
昨年実施いたしました文化振興に関する
市民アンケート調査において、自由意見
として「コンサート等ができる施設を増
やしてほしい」、「市民会館を近代的に
建設してほしい」等の意見をいただいて
おります。
なお、観客席が200~300席程度のホー
ルにつきましては、文化フォーラム春日
井視聴覚ホールが約200席、東部市民セ
ンターが約500席のホールを有しており、
中規模なコンサートや市民活動の発表の
場に対応できるものと考えております。
(市の回答)2-2
市民会館において音楽や芸能等のイベント
を提供する上での支障についての認識につ
きましては、 現状では、高度な舞台演出
を行う公演など、誘致が難しい演目もござ
いますが、市民会館の舞台や 設備で上演
可能な質の高い舞台芸術の演目も多数ある
他、かすがい市民文化財団による演目の積
極的な誘致や専門性を活かした独自の企画
等により、市民の皆様に幅広いジャンルの
文化芸術の鑑賞機会を提供できていると
考えております。
(市の回答)3-2
市民会館につきましては、公共施設個別施
設計画では、短期アクションプランの第2
期となる2027年度(令和9年度)から2036
年度(令和18年度)までの期間に建て替える
こととしております。
(議長! 11番)
それぞれの項目2回目の質問にお答えいただきま
した。
小項目(1)の回答の中で、客席数200~300席の
程度のホールに関して東部市民センターの話が
ありましたが、やはり市の中心部から離れすぎ
ており、交通のアクセスに課題が多く、駐車場
に関する課題もあります。交通安全に関する大
会なども行われており、私も何回か行きました
が、多目的ホールとしてはかなり不向きである
と考えます。文化フォーラムにつきましても、
あくまでも図書館の延長の視聴覚施設であるこ
とから、十分な舞台もなく音響を想定した場と
しては課題が多いのではないでしょうか。
また、小項目(2)の回答の中で、既存の施設にあ
っても市民に文化芸術の鑑賞機会を提供できて
いるとのお答えがありました。私も運営を担当
されているかすがい市民文化財団は、所与の環
境下で努力し運営されていることは評価してい
るところです。しかしながら、現状の環境下に
おいて、ある程度の水準を維持しさまざまな主
催者側との交渉や運営に関してのやりとりに関
しては、市の担当部局の想像を超える努力をさ
れているものと推察するところです。将来の見
通しがないと不安を抱えたままであり、せっか
く過去のイベントや興行でつながりができた主
催者や市民グループとの信頼や今後の計画に支
障をきたすこととなるのではと懸念するところ
であります。
小項目(3)に関しては、プランが5年後から14年
後と幅広いのが気になります。常識的には文化
施設の建築には通常の施設より時間がかかると
言われております。早急に情報収集や課題の整
理、基本的な考え方を構築していく必要あるの
ではないか。担当部局からの問題提起や提案、
それに対する市幹部の決断を期待するところで
あります。
2017年に「文化・スポーツ都市」を宣言した本
市にとって、市民会館の老朽化及びそのための建
て替えは、喫緊の課題と思います。私だけでは
なく文化の担当部局や市長をはじめとする市職員
のもとにも、この課題や要望は今までも市民から
何度も届いているものと推察いたします。
私は、市民会館というものは市の文化・教養を示
すシンボルであると考えます。また30万都市の当
市が、このようなことで県内の他市町村の後塵を
拝すことは一春日井市民として耐えられない事で
あります。最後に、この課題に対して石黒市長は
どのようにお考えか、お伺いして一般質問を終わ
ります。