愛知県春日井市 はせかずやを支援する会 郷土愛と奉仕の心 しがらみのない新しい風

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令和6年3月議会一般質問

カテゴリ : 令和6年1月~7月
2024(令和6年)3月議会・一般質問
日時3月11日(月)

 一般質問 質問事項・要旨 
 はせ かずや(一括)
 答弁を求める者 市長・部長 
 
1、本市の地震災害対策計画について 
   (1)避難所、福祉避難所について 
   (2)ライフライン対策について 
   (3)医療体制について 
   (4)精神的なケアと災害関連死
            対策について
 

 
 
 (議長! 19番) 
 それでは、先に通告いたしました「本市の地震
災害対策計画について」順次質問を
させていた
だきます。 

令和6年元旦に、最大震度7を観測した能登半島
地震の発生から約2ヶ月以上経過いたし
ました。
石川県の発表によると、3月1日現在で
死者241名、負傷者数は1,188名であり、 

行方不明者の発表はいまだにされていない状況
で、今まさに懸命な復旧・復興活動が
実施され
ているところであり、連日マスコミによって
その様子が伝えられています。 

その中でよく耳にするのが災害関連死という
言葉です。災害関連死の基本的な定義とし

は、「災害による直接の被害ではなく、避難
途中や避難後に死亡した者の死因につい
て、
災害との因果関係が認められるもの」で、
災害弔慰金の支給対象となる場合をいう
こと
が多いといわれています。
この概念は1995年阪神・淡路大震災で生ま
れたもので、
同地震での死者数は6,434人、
そのうち関連死として認定された死者数は
約900人、2011
年東日本大震災においては、
震災と原発事故による関連死は2020年度ま
でに全国で3,773
人にのぼり、認定申請は
今なお続いている。そして2016年の熊本
地震においては、建物
の下敷きになるなど
災害の直接死者は50名に対し、その約4倍
強の約220人が災害関連死
であるというこ
とです。 

 本市では、防災会議を経て地域防災計画
・地震災害対策計画が策定され、愛知県が 

公表した南海トラフ地震の被害想定を基礎
として業務継続計画の策定や地震防災マップ 

の作成を行うなど、地震災害への対策が練
られております。しかしながら、ある日突然、
想定を上回る被害が発生する可能性があるこ
ともまた地震災害の恐ろしさであります。 

このため、人口30万人の本市と同規模であ
り、過去に地震による甚大な被害を受けた 

阪神・淡路大震災における兵庫県明石市や
東日本大震災における福島県郡山市の被害 

状況を念頭に質問させていただきます。 
 
小項目(1)避難所、福祉避難所について伺い
ます。能登半島地震の輪島市においては、 

想定していた15箇所の避難所が3箇所しか
準備できなかったと伝えられています。
本市の小学校を
中心とする41カ所の指定
一般避難所、及び指定福祉避難所16カ所が
機能するの
か心配です。これらの準備をする
人員の主な配置は出来ているのでしょうか。 

また避難所に各学習等共用施設や中学校が
指定されていないのはどのような理由である 

のかお尋ねします。 
 
 次に小項目(2)として、ライフラインの確保
について伺います。水や電気・ガスのライフ 

ラインはは命を守る上で欠かせない物であり
ますが、これらの確保について、どのよう
お考えなのかについてお伺いします。 
 
 小項目(3)ですが、小項目(2)でお伺いした
ライフラインが停止することにより、普段
生活に著しく影響を及ぼすと共に、
透析や酸素・痰の吸引などの持病により、
在宅で
常時医療行為を行わないと生命に
危険を及ぼす方、避難所で体調を崩す方、
病院の入院
患者や介護施設入居者など、
災害関連死にならないように支援を考える
のは重要と考え
ます。そこで医療体制に
関して伺います。市民病院をはじめとする
救急基幹病院は勿論、
地域の医師会・歯科
医師会・薬剤師会の協力が必須と思うが、
地域における役割分担は
どのようになって
いるのかについてお伺いします。 

 
最後に、小項目(4)として、精神的なケア
についてお伺いします。防災計画にはDPAT
災害
派遣精神医療チームの要請を行うと
ありますが、避難者への精神的ケアとして
どのよう
な支援を行っていくのか、
そのほか災害弱者と言われる高齢者や
子ども、妊婦などへの
援助はどのように
考えておられるのかお伺いします。
以上壇上からの質問といたします。 

 
(市の回答)1-1 
 本市では、震度5強以上の地震が発生
した場合、市の公民館やふれあいセン
ターなど、指定福祉避難所を
兼ねる
9か所の防災拠点に、あらかじめ指定
された約600人の職員が、その他の
7か所の指定福祉避難所
には、施設の
配備態勢による職員が参集し、
それぞれの指定福祉避難所を開設する
こととしております。 

指定一般避難所については、各防災
拠点に参集した職員が、それぞれの
施設に出向き、施設の安全性を
確認
した後に開設し、初期の管理運営を
行うこととしております。
現状、限られた職員により対応可能な 

 施設数で、一定規模の人数を収容でき
る、耐震性や耐火性が確保された小学
校等を一般避難所として指
定している
ことから、学習等供用施設及び集会場
については、避難所に位置付けており
ません。しかし
ながら、複数の避難者
がやむを得ず避難した場合には、その
申し出により追認避難所として認定し、
指定
一般避難所と同様の支援を行うこ
ととしております。 

中学校につきましては、南条中学校で
は、周辺地域住民の水害時の避難の
観点から、一時避難所に指定
しており
ますが、他の14の中学校につきまして
は、避難所となった小学校の児童をを
含む学校教育の場と
して利用する必要
があるため、避難所の指定をしており
ません。 

 
(市の回答)2-1 
災害時における水や電気、ガス等の
ライフラインの確保は、大変重要な
課題であり、まずは地震による
被害を
最小限にとどめる事前の対策が重要で
あると考えております。断水への対策
については、基幹管
路の耐震化や老朽
管の更新を順次進めており、水道施設
の耐震性の強化を図っているところです。 

 電気やガスについては、地域防災計画
において、それぞれの管理者が耐震性
の確保や系統の多重化、
代替性の確保
等行うこととしております。また、
管理者には市の総合防災訓練に参加して
いただくほか、
災害時には直接的な情報
交換が可能となるようホットライン協定
により、円滑な協力体制を構築しており 

ます。その他、ライフライン関係施設に
被害が生じた場合に備え、地域の生活
用水として活用できる災害
時井戸水提供
の家を指定するほか、ペットボトル飲料
水やガス発電機を備蓄しております。 

 
(市の回答)3-1 
災害時の医療体制につきましては、
愛知県が定める尾張北部医療圏医療救護
活動計画(尾張北部圏域
災害医療計画)に
基づき、春日井保健所に設置される
「尾張北部圏域保健医療調整会議」を
通じて、広域
医療活動を実施すること
になっております。地域中核災害拠点
病院に指定されている春日井市民病院に 

 おいては、主に重症患者の治療や、
DMATの活動拠点等の役割を担います。
また、その他の病院や専門、
の医療機
関については中等症患者や透析患者、
精神疾患患者などの受入や治療の役割
を担っていた
だくこととなります。 
 市医師会との連携については、
「災害医療救護に関する協定」を、歯科
医師会とは「災害歯科医療救護
に関する
協定」を締結しており、軽症者の受入や
治療、市が防災拠点に設置する医療救護
所への医療
救護班の派遣等を行なってい
ただきます。また薬剤師会については、
「災害時における医薬品及び医療
用品の
供給並びに薬剤師の派遣協力に関する協定」
に基づき、医薬品等を供給していただきます。 

 
(市の回答)4-1 
 避難者の精神的なケアにつきましては、
春日井保健所等と連携して巡回保健班を
編成し、精神保健相談
をはじめとする
巡回健康相談を各避難所で実施すると
ともに、必要に応じて避難所等に保健師
等を配置し、
随時健康相談を行う事と
しています。高齢者や子ども、妊産婦、
障がい者等で、特に配慮が必要な方に 

 つきましては、医師会などと連携し、
巡回医療班による医師の診察を行う
とともに、精神的、身体的な理由で
避難
所での対応が困難な場合は、それぞれ
専門の施設への入所や医療機関への移送
を行う等、関係
機関と協力して必要な
支援を行ってまいります。その他、精神
的ケアが必要な子どもについては、学校に 

おいてスクールカウンセラーによるカウン
セリングや家庭訪問等を実施することと
しております。 

 
 (議長! 19番) 
 それぞれお答えいただきました。 
 小項目(1)の避難所については、学習等
共用施設や町内会・自治会等が管理して
いる公民
館等については、必要に応じて
追認避難所とすることがわかりました。
小項目(2)のライ
フラインについては、
予防措置として耐震性の強化、管理者
との連携・協力体制の構築と
備蓄に関
して。小項目(3)の医療体制については、
個々の役割分担の基本的な考え方につ 

 いて、小項目(4)の精神的なケアについ
ては、巡回保健班や巡回医療班編成に
よる必要な
支援実施の計画について
お答えをいただきました。 

 
 災害関連死を防ぐ意味で睡眠を取る
環境づくりが大切と報じられています。
車中泊や一部
損傷した自宅での睡眠も
あると思いますが、阪神・淡路大震災
時の明石市の住宅全壊・半
壊の被害は
約10,000件、東日本大震災時の郡山市
の全壊・半壊の被害は約23,000世帯です。 

 そこで小項目(1)の2回目の質問をさせて
いただきます。避難所における環境づ
くりは大変
重要な課題と考えます。
本市においては、各避難所を設営する
担当者や基本的なレイアウ
トデザイン
が決められているのか、また、各避難
所に段ボールベッドや部屋の間仕切り
どは確保されているのかについて
伺います。 

 
 小項目(2)ライフライン対策について
2回目です。水と電気・ガスの確保に
関して、事前
の対策や備蓄の確保は
理解したが、ライフラインが被害を
受け、復旧するまで他の自治
体や関連
事業者と提携している具体的な方策が
あるのかについてお尋ねいたします。 

  
 小項目(3)医療体制について2回目です。
今回の能登半島地震では、感染症対策が
重要で
あるという報告があります。
従って感染症患者の居場所を確保する
ため、指定避難所以
外も使用するなど、
弾力的に避難所対策を行うべきと考える
が、ご所見をうかがいます。 

 
 小項目(4)精神的なケアと災害関連死
対策について2回目です。 

 災害関連死の8割は高齢者、9割が持病
を持っている人と言われています。確かに
環境
が大きく変わる中で体力的にも精神的
にも大きな負荷がかかることは想像できま
す。
 従って長い避難所生活には耐えられま
せん。そこで、2次避難場所の確保や応急
仮設
住宅の建設などが必要になるケースが
予想されます。本市においては応急仮設住
宅の
建設場所が確保されているのか。
また、それ以外の住居の確保について方策
があるのか
について伺います。 
 
(市の回答)1-2 
 避難所については、避難者等が市職員と
共に避難状況を踏まえて自主的に管理・
運営することとしており、
円滑な運営の
ために避難所運営マニュアルを策定し、
標準的な管理・運営方法のほか、睡眠を
とるための
居住空間や支援物資を配布す
るための共同空間等のレイアウトデザイ
ンを例示しております。段ボール
ベッド
や間仕切り等の資器材については、各避
難所や防災拠点等の備蓄倉庫に保管して
いるほか、不足
する場合は、国・県及び
災害時応援協定を締結している事業者へ
支援を要請することにしています。 

 
(市の回答)2-2 
 水の確保につきましては、公益社団
法人日本水道協会における応急給水・
応急復旧等の相互応援体制
に基づき、
各都道府県支部から早期の支援を受
けることとしております。また電気
やガスの確保について
は、中部電力
パワーグリッド株式会社及び東邦瓦
斯株式会社と、復旧活動に必要な基地
や資器材置場と
して活用するための
場所として、公園等を一時的に提供
する協定を締結する等、各事業所の
速やかな復
旧活動を支援することと
しております。その他にも水道施設
の応急対策や電気設備の保安等、関係
機関
と災害時の応援協定を締結し必要
な支援を受けられる体制の整備に努め
ております。 

 
(市の回答)3-2 
 感染症対策につきましては、備蓄し
ている手指消毒薬やマスク、間仕切り
を活用するほか、各避難所に
おける
配置計画において、施設の一部の部屋
や校舎内の一部の教室等に感染症患者
など、特別の配慮
が必要な方の専用
スペースを確保することとしています。
このため、他の施設を利用する計画は
ありませ
んが、避難生活が長期にわた
る場合には、実情に応じて検討するも
のと考えております。 

 
(市の回答)4-2 
 応急仮設住宅の設置は、災害救助法に
基づき愛知県が実施することとなります。
プレハブ等を建設する
建設型応急住宅の
建設場所については、中央公園や二子山
公園等の大規模公園のグラウンド等を
選定した
応急仮設住宅建設候補地台帳を
作成し、愛知県と情報共有しています。
また、市営住宅などの公営住宅を
一時使
用するほか、愛知県が賃貸型応急住宅
として借り上げる民間賃貸住宅を提供
することとしております。 

 
 (議長! 19番) 
 それぞれお答えいただきました。今回
能登半島地震の悲惨で深刻な状況を知り、
本市で
懸念されている南海トラフ地震
対策について限られた時間ではあります
が、素朴な疑問
を縷々質問させていただ
きました。この地震災害だけは、早朝な
のか真夜中なのか、
真夏なのか真冬なの
か、数十年後か数百年後なのかまた明日
なのか全く油断を許さない
ものです。 
  本市では、平成26年に業務継続計画
を策定し、5年を目途に内容を修正しな
がら現在
に至っております。大規模地震
発生時においても、行政機能の継続性を
確保するために、
非常時に優先される
べき業務の選定や、職員の参集体制、
業務実施に必要な執務環境の
対策、関係
機関との協力連携体制など、業務継続力
向上のための対策が明記されており、 

地域防災計画に記載された災害対策と
併せて、市民の生命、身体、財産を守る
ための
実効性が確保されていると認識し
ております。この業務継続計画は、令和
6年度に改定が
予定されていると聞いて
おります。能登半島地震を踏まえて、
国・県の対策計画を見据
え、検証が今後
必要と思われます。 

  また、先日の新聞報道では、能登半島
地震の被災地で支援にあたっていた本市の
消防
職員や上下水道職員の活動報告会が、
市の幹部職員に対して文化フォーラムで
行われた
という記事がありました。道路
状況の早期把握や早期救助の大切さ、給水
車を運転でき
る人材の確保、下水施設の
重点調査個所の事前把握など、実際に被災
地で活動した職員
ならではの視点による
提案を行ったとのことでした。このような
「実体験に基づく提案」
 を聞く機会が多く
の職員に対して設けられたことは、貴重で
有意義なものであり、本市
の防災対策の
さらなる成長の一助になるものと高く評価
しております。 

  また、私は2月3日に社会福祉協議会
主催の災害救援ボランティア体験研修会
に参加し
てまいりました。災害救援ボラ
ンティアセンターの模擬体験や消防署に
よるロープの結
び方体験をするほか、
災害ボランティア「愛・知・人」の
皆さんが珠洲市の現地でボラ
ンティア
活動をしている現場と中継を結びリアル
タイムでその状況を見ることができま 

 した。思っていた以上に過酷な活動で
あると実感できる体験でもありました。
その研
修会で出会ったある町内会の
区長さんは、能登半島地震のニュースを
見ていて自分たち
の地域の地震災害対策
が万全なのか不安になり参加したという
ことでした。80名定員の
事前申し込みに
対しほぼ100%の参加状況で、内容の濃い
優れた研修会だったと思います。 

市は災害時に備え、様々な団体や企業と
協定を結んでいます。また、総合防災
訓練を
通じて各々の役割分担を確認し
ていることは理解できます。長期化す
る避難生活により
災害弱者ほど災害関連
死のリスクが高まるのも事実です。少し
でも災害関連による疾病
者を増やさない
ためにも、公助に頼るだけでなく、助け
合える近所との関係づくり、
そして自分
たちの命は自分で守るという気持ちで
日頃からの備えと覚悟が必要である
こと
を能登半島地震は私たちに伝えていると
いうことを痛感いたします。 

以上で私の一般質問を終わります。