愛知県春日井市 はせかずやを支援する会 郷土愛と奉仕の心 しがらみのない新しい風

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令和3年9月議会報告

カテゴリ : 令和3年7月~12月
2021(令和3年)9月議会
日時9月27日(月)
一般質問 質問事項・要旨
はせ かずや(一括) 
答弁を求める者 市長・部長



1、公共施設への電力供給とゼロカーボン推進に
  関する
連携協定について
(1)ゼロカーボンシティ宣言について
(2)連携協定の経緯及び内容について
(3)電力供給について
(4)今後の啓蒙活動と環境施策について





 それでは、先に通告いたしました「公共施設へ
の電力供給とゼロカー
ボン推進に関する連携協定
について」順次質問いたします。

本市は本年6月22日に、2050年までに二酸化炭
素(CO2)排出量実質ゼロの
実現を目指す「ゼロカ
ーボンシティかすがい」を宣言し、鈴与商事㈱と

電源開発㈱の共同出資会社であり小売電気事業者
の鈴与電力㈱と「公共
施設への電力供給とゼロカ
ーボン推進に関する連携協定」を本年7月1日
から
2026年1月末日まで締結する旨の記者発表をいた
しました。

本協定では、本市のクリーンセンター発電電力及
び鈴与電力㈱が調達す
るカーボンフリーの電力を
公共施設などへ供給し、自治体自らが率先し

二酸化炭素排出量の削減を図ると共に、鈴与グル
ープの協力会社とも
連携し、環境出前講座や子ど
も環境アカデミー、各種啓発イベント等を
企画・
開催し、環境市民の更なる育成に努めるとありま
す。

 ゼロカーボン(脱炭素化)への意識が高まる背景
には、世界的に進行し
ている気候変動を抑制する
ためには温室効果ガス排出量削減が必須とさ
れて
おり、1997年に採択された「京都議定書」、
2015年に国際的な枠組
みとして採択された「パリ
協定」がありますが、我が国では現在環境省
が中心
となり、実際にゼロカーボンシティとして気候変動
対策に取組ん
でいる地方公共団体が増えてきていま
す。しかしながら、一般市民に
とっては専門的な用
語も多いため意味自体がよくわからない点も多々あ

ると思われます。今回の一般質問は、連携協定につ
いての中身について
市民にもわかりやすい文言で、
その意義や疑問点などをお尋ねしていき
たいと思い
ます。




小項目(1)ゼロカーボンシティ宣言についてお尋ね
します。
6月22日に宣言をし、さらなる二酸化炭素
排出量削減に取組んでいくと
のことですが、宣言の
趣旨についてお伺いいたします。



続いて小項目(2)連携協定の経緯及び内容について
お尋ねします。

宣言と共に鈴与電力㈱と「公共施設への電力供給と
ゼロカーボン推進
に関する連携協定」を締結されま
したが、様々な小売電気事業者の選
択肢がある中で、
公募型プロポーザルによって選定したと承知してい

ます。鈴与電力㈱決定までの経緯と何が決め手とな
ったのかについて
お伺いします。


次に小項目(3)電力供給についてお尋ねします。
公共施設へのカーボンフリー電力の供給とはそも
そもどういうことな
のか、公共施設とはどこが該
当するのか、また年間の供給電力量はど
れくらい
なのかについてお伺いします。




報道発表では、「RE100」とか「地産地消」など
聞きなれない専門用語
が出てきますが、
「RE100」とは、Rリニューアブル・Eエナジー、
つま
り再生可能なエネルギー100%という意味で
あり、「地産地消」とは、
地元で作った電力を地
元で消費するものと理解いたしました。


そこで最後に小項目(4)今後の啓蒙活動と環境施策
についてお尋ねしま
す。小中学校RE100を活かし
た今後の市民への啓蒙活動について具体的
にお聞
きすると共に協定企業との具体的な連携予定事業
にはどのよう
なものがあるのかについてお伺いい
たします。

以上壇上からの1回目の質問といたします。



(1-1、市からの回答)

地球温暖化の進行に伴い自然災害が頻発し気候変
動への危機意識が高まってい
る中、本市としても
直面している地球温暖化問題に正面から向き合い、
私たち一人
ひとりが当事者としての役割を果たす
ことで、かけがえのない地球環境を次の世代
へ引
き継いでいく必要があると考えます。そこで自治
体自らの率先行動と市民、事
業者、行政のパート
ナーシップにより、2050年二酸化炭素排出量実
質ゼロの実現
に向けた地球温暖化対策の取組みを
着実に進めていくため、「ゼロカーボンシティ

すがい」を宣言いたしました。


(2-1、市からの回答)

本市は公共(高圧受電)施設の電力調達について、
本年3月に公募型プロポーザル
を実施いたしまし
た。コスト削減などの財政的評価、二酸化炭素排
出量削減などの
地球温暖化対策、環境配慮に係わ
る環境啓発及び環境教育に資する事業等、
複数の
事業者からの提案を審査した結果、提案内容が
優秀であった鈴与電力㈱
を契約者として選定いた
しました。その後提案の具現化に向けての協議を
行い、
内容が整ったことから6月22日に「公共施
設への電力供給とゼロカーボン推進に
関する連携
協定」に至ったものです。


(3-1、市からの回答)

カーボンフリー電力の供給につきましては、クリ
ーンセンターで廃棄物を焼却し得ら
れた二酸化炭
素を発生しない発電電力はクリーンセンターの施
設運転で使用する
電力に利用されますが、一部余
った電力を公共施設へ供給するものです。なお、

余剰電力だけでは公共施設で使用する電力をまか
ないきれないことから、鈴与電
力㈱が調達する
二酸化炭素(CO2)発生由来でない電力とあわせて
供給するもので
す。対象となる公共施設につきま
しては、小中学校52施設のほか、上下水道施設、

公民館・ふれあいセンターや消防施設等(特別高
圧及び低圧受電施設等を除く)
109施設で、年間
供給電力量は、33,089.6メガワットです。


(4-1、市からの回答)

小中学校への再生可能エネルギー100%の電力
供給をとおして、児童・生徒達に、
家庭ごみを
焼却し得られる二酸化炭素を排出しない電力利用
の意義(仕組み・特
徴)やゴミの資源循環等の身近
な環境問題を実践的に学ぶ機会とし、環境にやさ
いまちづくりを担う人材育成に努めてまいりま
す。また、本連携協定においては鈴
与電力㈱のほ
か㈱フジドリームエアラインズ等の協力を得られ
ることから、市民の
環境問題についての関心と理
解を深めるため、名古屋空港等の空港施設を利用

し、航空部門が取組む省エネや地球温暖化対策を
学ぶ環境講座等を開催してま
いります。



それぞれお答えいただきました。
宣言の趣旨についてはよくわかりましたが、
そこで小項目(1)ゼロカー
ボンシティ宣言につい
て2回目の質問ですが、ところで、ゼロカーボン

宣言または表明している全国自治体と県内の自治
体については直近で
どの程度普及が広がっている
のかについてお伺いします。



プロポーザルの参加事業者から提出された企画提
案書等から、鈴与電
暖化対策、環境配慮に係わる
環境啓発及び環境教育に資する事業提案
等が優秀
であったため選定されたことは理解いたしました。

これは一般論でありますが、そもそも新電力とは、
2016年4月の「電力
の小売り全面自由化」で生ま
れた電力会社であります。
以前は東京電
力、関西電力といった地域の電力会
社10社しか個人や企業等に電力を
小売りすること
はできなかったが、それが自由化によって約700
社の
新規勢力が電力市場に参入したものです。
市場の競争は厳しく、これ
まで新電力の経営破綻
では、日本ロジテック協同組合が2016年に、福

島電力が2018年に経営破綻しており、直近では
本年3月に大手の株式会
社F-POWERが464億円の
負債を抱え倒産しており、自治体ごみ発電売買

引において損害が出ています。これらの事業破綻
により近隣では名
古屋市が約4億円、豊橋市も若
干の被害を受けたとの事であります。

また、奈良県生駒市においては、自治体が新電力
会社を立ち上げたが、
その後関西電力の低価格に
よる周辺の市町村公共施設調達入札により、
周辺
市より割高な電力購入をしているとして、新電力
会社に支払った
電気料金2億5千万円の返還を市長
に求める住民監査請求がおきていま
す。このよう
な新電力会社についての事例は他人事ではないの
です。


そこで小項目(2)連携協定の経緯及び内容につい
て2回目の質問です。

今回の小売電気事業者の選定にあたり、本市の
リスクについてはどう
お考えになったのか、また
万一そのような事態があった場合において
も電力
の安定供給は受けられるのか、支障となるような
ことはないの
かについてお伺いします。



次に小項目(3)電力供給について2回目の質問です。

連携協定に伴うカーボンフリー電力供給に伴うメ
リットについて、二
酸化炭素排出量削減の観点か
らとコスト削減の観点から、それぞれ試
算した数
値についてお伺いします。



最後に小項目(4)今後の啓蒙活動と環境施策につい
て2回目の質問です。
啓蒙活動については、より活
発で目新しい事業展開が期待できるもの
と受け止め
ましたが、今回の連携協定は、今後の市の環境施策
にどの
ような影響を与えていくのかについてお伺い
します。



(1-2、市からの回答)

令和3年7月30日現在のゼロ表明している自治体
数は、40都道府県、256市、
10特別区、106町、
20村の計432自治体で、内訳は、県内では豊田
市、みよし市、
半田市、岡埼市、田原市、武豊町、
犬山市、蒲郡市、小牧市、常滑市で本市を含む

11市がございます。

(2-2、市からの回答)

電力の供給には、需要の逼迫や市場の影響等さま
ざまなリスク要因があることは認
識しており、
議員のご質問のような事例が発生した場合におい
ても、他の電力会社
から電力が供給される国の制
度が整っており、電力供給に支障はございません。


(3-2、市からの回答)
市では「春日井市役所地球温暖化行動指針」にお
いて、市役所の事業活動におけ
る二酸化炭素排出
量の削減目標を、2030年度には2013年度比で
35%削減する目標
を掲げております。2019年
度と同程度の電力を使用すると仮定した場合の試
算です
が、今回のカーボンフリー電力を調達する
ことで、約15,000トンのCO2削減が見込ま
れ、
職員の省エネ行動実践等による削減量とあわせて
約32%の削減が見込まれま
すので年度を前倒し
し目標を達成できるものと考えております。
また年間の電力使

用料金については、約8,000万円程度の削減を見
込んでおります。


(4-2、市からの回答)

今回の宣言や協定は、2050年二酸化炭素排出量
実質ゼロの実現に向けて、市民、
事業者、行政の
パートナーシップにより地球温暖化対策の取組み
を着実に進める
もので平成13年9月に環境都市
春日井の実現を目指すとして宣言した「環境都市

宣言」の趣旨につうじるものと考えております。
今日の環境問題の多くは日常生活や事業活動に起
因し、環境に与える影響が重
大であることを認識
し、市民、事業者への環境啓発や環境学習の充実
を図るなど、
計画的かつ総合的な環境政策を推進
し、環境負荷の低減を図り、環境にやさしい
まち
づくりに努めてまいります。




今回「公共施設への電力供給とゼロカーボン推進
に関する連携協定」
の中身について質問させてい
ただきましたが、私は2つの観点から本
協定を高
く評価させていただきます。

第1点は、従来公共施設の電力調達については全
国的に随意契約(1社)
により締結されてきた中、
今回電力料金の抑制や二酸化炭素排出量削
減等を
観点として公募型プロポーザル方式を採用し複数
の事業者を審
査し契約先を選定されたこと、
そして何よりも担当部課からの提案に
対してボト
ムアップでこれらの取組みを進めてこられたこと
をお聞き
し、大変感銘を受けました。

第2点目は、クリーンセンターの発電電力等を活
用すると共にカーボン
フリーの電力を契約した取
組みにより、その成果として当市が定めた
「地球
温暖化行動指針」にある市役所の事業活動におけ
る二酸化炭素
排出量を2030年度に2013年度比で
35%削減する目標を大きく前倒しして
達成する
見込みとの答弁がありました。これは市が率先し
て行動した
結果であり、市民・事業者が今後環境
負荷を低減する行動を促進する
上で大きな機運と
なるものです。

今後もさらに高い目標を設定し、市が率先し、
市民・事業者をリード
していくような地球温暖化
対策の取組みを期待し質問を終わります。


2021-10-20 00:00:00 | コメント(0)
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